★印 写真提供:公益社団法人 和歌山県観光連盟

ご挨拶

一般社団法人日本臨床検査専門医会 第3回年次大会開催にあたって
テーマ:「臨床検査・研究・そしてワークライフバランス」
大会長 尾﨑敬 (紀南病院中央臨床検査部長)

 このたび、日本臨床検査専門医会第3回年次大会の大会長を担当させて頂きます。宜しくお願い致します。開催日時と会場は、本年6月29日(土)・30日(日)、和歌山県田辺市紀南看護専門学校(紀南病院敷地内)です。近畿地方での開催は、平成27年(2015年)に松尾収二先生(天理医療大学教授)が奈良市で開催されて以来9年ぶりとなります。
 今回のテーマは「臨床検査・研究・そしてワークライフバランス」で、日本臨床検査専門医会の会員の先生方にとって絶えず向き合う課題ではありますが、この3つをどのように対応しているかは、個人個人の価値観によるところが大きいと思われます。その価値観を今回の大会に参加して頂くことで、もう一度見直す機会になって頂ければと思います。
 開催地の紀南地方(熊野地方)は、時代の流れや流行に、流されることなく普通の日々を重ね続けてきた地方です。それゆえに、歴史・文化・風土・自然・宗教観が昔のまま残されております。今回の大会ポスターに起用した南方熊楠は熊野地方を代表する偉人ですが、国内外で多くの経験を積んだ熊楠が、この地方をこよなく愛し、ここで彼の研究活動を続けたのも以上のことと深く関係していると思われます。熊楠は一地方の研究者で、他人の評価を気にしない人でした。サイエンスやアカデミーの世界ではあまり知られていないかもしれませんが、英文科学雑誌「Nature」に50以上の筆頭論文が掲載されるという、人類未踏の偉業を達成しました。
 熊楠の豊かな人生観を知って頂きたく、懇親会では南方熊楠記念館館長による講演会も企画しています。研究と人生を謳歌し自然を愛した熊楠は、各方面で頑張っている多くの人々に「何か大切なもの」を与えることができる人物と思います。今回、この地に多くの関係者の方々に足を運んでいただき、熊楠が何故この地を選んだのかを少しでも感じて頂ければと思います。そして大会終了後に、多忙な日常生活をもう一度見直す機会になれば幸いです。
 今大会では生涯教育講演会、特別講演、教育講演、シンポジウム、ランチョンセミナーを企画予定しております。今後、臨床検査専門医更新の単位認定を申請予定です。
 紀南地方での開催のため、交通の便も悪く、誠に申し訳ございません。そして会場参加して下さる先生方には心より感謝申し上げます。会場参加できなかった方々には、大会終了後にオンデマンド配信を予定しております。ホームページから事前の参加登録をお勧めしますが、当日会場での参加受付も行っております。皆様多数のご参加を心よりお待ちしております。

令和5年12月吉日